年間のテーマに寄せて |
自分の名前を呼ばれた時、私たちは返事をします。幼稚園でも園児たちに「自分の名前を呼ばれたら返事をしましょうね。」と教えます。この、あたり前になっていることを、もう一度大切に意識して振り返ってみたいと思いました。 |
“呼ばれている”ということは、“私は求められている”ということです。“返事をする”ということは、“あなたが必要ですよ”という呼びかけに対して『はい、わたしはここにいます。』という呼びかけに対しての意思表示をするということではないでしょうか。素敵なことですね。 |
子どもがこの世に生をうけた時、親は子どもの幸せを願って、また、その時の喜びや感動、願いをこめ懸命にその子の名前を考えます。その子が大きくなった今、その名前を大事に呼んであげていますか?(反省する事も多いですね!) もう一度、私が大切につけたわが子の名前である事を思いおこし、大事に呼ぶことを意識してみませんか。 |
“雑草”という草はありません。その草の名前を知らないから“雑草”と、ひとまとめにしてしまうのです。一つ一つの草の名前を知っていれば、「わぁ、こんな狭いところにも一生懸命に生きているんだ!」と、きっとその草が愛(いとお)しくなるに違いありません。
名前を大事に呼んであげましょう。どの子もそして親である私たちも、みんな、その親から願いをもって、つけてもらった大切な大切な名前をもっているのです。 |
子どもが、「お母さん」・「ママ」・「かあちゃん」と呼ぶ時、その呼ぶ言葉は、普通名詞としての「お母さん」という言葉ではなく、“ぼくの”“私だけの”「お母さん」という気持ちが一杯こめてある、つまり お母さん自身の名前を呼んでいるのと同じ固有名詞としての働きをしています。そのことは、「お父さん」という言葉にも、「先生」という言葉にもいえると思います。 |
「お母さん」、その短い語りかけの中には、「みてみて、こっちをみて」「聞いて、聞いて、あのね」「大好きだよ、お母さん」など、たくさんの子どもの思いが一杯につまっているのです。 |
お母さん、どうか 子どもさんの呼ぶ声に、大切に返事をしてあげて下さいね。 |
長府幼稚園 (2012.4.13 入園式・母の会にて)
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