長府幼稚園からのお知らせ

2020.04.16

長府幼稚園年間のテーマ(入園式での園長先生のお話)

 長府幼稚園では、入園式・卒園式・参観日など色々な行事を御本堂で行います。子どもたちは登園すると み仏様にごあいさをします。御本堂の前まで来て、御本堂の中のみ仏様の顔を見てあいさつをしましょう。

 

­ 今日、入園式で初めて出会った人が多いと思いますが、新しい出会いです。ぜひ、これから園で出会ったらあいさつをしましょう。お父さんもお母さんも新しい友達をつくりましょう。

 

 子どもたちだけが楽しい幼稚園では良くないと思っています。子どもたちはもちろん、お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、近所の人々も先生もみんなが楽しいと思える幼稚園にしたいと思っています。

 

 もうすぐすると、子どもたちはれんげ畑で遊びます。年長組さんは、竹の子山でも遊びます。自分の手でさわって、実際に体験して初めて自分のものになると思います。もちろん本で読んで想像力を働かせることも大事ですが、実体験を通して感受性豊かな人生を送ることが最も大事だと思います。危ないと思うこともそれに対しての準備を十分にして挑戦したいと思っています。

 

 今までは家庭の中での生活でしたが、今日からは子どもたちは全く新しい“幼稚園”という世界の中での生活が始まります。その新しい世界(幼稚園)では、楽しいことがたくさんあってほしいと願っています。

 

 しかし、すべてが楽しいこととは限りません。それは大人の人生も子どもの人生も同じです。

 

 子ども同士でも「あの子とは合わないな」「あの子と遊びたいな。でもうまくいかないな。」など色々あります。そういう中でも色々なことを自分の力で見つけ出しながら楽しいひとときを過ごしてほしいと思います。そのためには、先生にはもちろんお父さん、お母さんが手助けしてあげてほしいと思います。

 

 長府幼稚園では、1年間のテーマを決めています。毎年テーマを決める理由は、豊かな人生を送るためには、私たちは考えて、実際行動しないといけないと思うからです。昨年のテーマは「喜び」でした。色々なところに喜びはあるのに、見過ごしていませんか?また、たくさん喜びをつくって下さいね。という思いで「喜び」にしました。

 

 今年のテーマは「鳥の目、虫の目」~広い視野をもち全体を見る力、ひとつひとつのものをじっくり見る力~です。

 

「鳥」は高いところから見ることができます。広い視野で全体を見る力があります。

 

「虫」は地面に這いつくばって小さな細かいところまでじっくり見る力があります。

 

 私たち大人が子どもに対しても「虫の目」のようにいつも一緒に子どもに寄り添い、子どもの悲しみや喜びにじっくり向き合ってあげてほしいとも思います。

 

 そして「鳥の目」というのは、子どもたちは今どのような状態にあるのか。過去・現在・未来の時間の中で子どもたちはどう生きているか、どう生きていくのかを考えてあげることが大人たちの役目ではないでしょうか。

 

「虫の目」で見るとどう見えるのかな?

 

「鳥の目」で見るとどう見えるのかな?と、この一年考えてほしいと思っています。

 

 今月のお寺の掲示板に「物ごとは努力によって解決しない。だが、そのことがはっきりすれば、心おきなく努力ができる」と書いてあります。

 

「努力すれば物事は絶対に解決する。」と思い込んでいるとそこには大きな落とし穴があるかもしれません。しかし、物ごとは努力によって解決しないことが大いにあるということを知った上で努力をしよう。という意味です。

 

 自分の力ではどうしようもないことがたくさんあります。しかし、今だからこそできることがあるかもしれない。そのことをそれぞれ考えてほしいと思います。

 

 新しい世界に入り、新しい出会いがあり、楽しいことも嫌なこともあると思います。

 

 しかし、違う見方(「鳥の目」「虫の目」)をすれば、考えが変わってそれがよろこびとのであいになるのではないでしょうか。

 

2020.4.10 入園式にて

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